ここにいても、よい理由

ガンダム以来、二足歩行兵器には「ここにいても、よい理由」が必要となる事が当たり前になりました。
ミノフスキー粒子と言う大発明以来、精密誘導兵器を無効にする様々なアイデアが考えられ、ロボットの存在意義をフォローしていたのです。

で、この「フォーチュン+ブリゲイド」世界にもその「ここにいても、よい理由」が存在します。
それが、第一話6ページ目で台詞としてでてくる「磁性群体」です。自走砲の弾道計算コンピューターを狂わせ、準備射撃を台無しにした見えない犯人です。
数十年前の前大戦でばら撒かれた空中散布型ナノマシンが暴走気味に増殖を繰り返して、大気中のプランクトンとして振る舞っています。磁性を帯び、百万単位で群体となることで強力なEMP効果を生み出すこの厄介な微小機械は、大気中の窒素や地中の珪素などを原料として増殖し、各国が撒いた各種ナノマシンが掛け合わされ新たな品種を生み出すと言うもはや人工生物と言って良い現象まで引き起こしています。
数が多すぎて根絶は不可能で、結果としてこの惑星上では精密誘導兵器が使いづらくなり(ゼロではない)目視による砲撃戦が成立するようになりました。
EMP効果としての外的影響もさることながら、この微小機械が機械の内部に侵入して磁性群地を造ってしまうのも深刻な問題で、この現象は金属部品の劣化や目詰まりなどの物理的トラブルを引き起こします。そのため、この世界では大量に空気を吸い込むジェットエンジンは廃れ、分厚いフィルターをつけたレシプロ機か、バッテリー式の飛行船の類しか航空戦力は存在しません。地上を走る車両類も、フィルターの掃除は必須の整備項目です。
大量移動手段としては鉄道網の充実が図られ、戦時下においても鉄道網は各国の努力で維持されています。Strvの輸送にも重宝されています。