猪年と言うわけではないですが

劇中では描ききれない設定を解説するシリーズその2です。

<やられメカ“カイラー”>
スーパー/リアルの区別無く、ロボットものにはやられメカが必要です。特にリアル系と呼ばれる作品では、世界観を象徴するものとして重要な位置を占める事が多いように思えます。
と言う事を念頭において考えたので、敵主力量産機である「カイラー」のデザインは難航しました。主人公メカの「マダン」が直線主体のミリタリーチックなラインになるのは決まっていたので、それとは対照的なデザインにしなければならなかったからです。

:曲線主体
:でも無機質
:非人間的なシルエット

このあたりを条件にあーでもないこーでもないとこねくり回した末に今のデザインに落ち着きました。最初は半魚人のような感じで口ががばっと開くギミックを考えていましたが、ちょっとキャラが立ちすぎて無機質さが薄れるので不釣合いに小さな頭部をつけて今のシルエットになりました。
カイラー(独語で猪の意)と名づけたのは描いてるうちに何か胴体部と銃座の関係が猪っぽく見えてきたからです(^^
多分この名前は王国側が勝手につけたあだ名で、市民軍の間ではまた別の呼び名があるのでしょう。

このStrvは第二世代と言う位置づけです。車体全てのフレームを連動させて反動を相殺することで、MBTよりもはるかに軽量ながらも優越した火力を得られると言うのが第二世代の特徴。これは設計段階から組み込まないと活かせない考え方です。したがって、第一世代に属する王国側の「サブラ」などは重量に見合った口径の火砲しか運用できません。大口径の砲をぶっ放したらひっくり返って後頭部強打コースです。
また、前面防御力を重視したカイラーは防御力も高く、「サブラ」クラスのStrvが運用する火力では側面か背面に回りこまないかぎりはなかなか倒す事が出来ません。そのくせ速射能力の高い122ミリ砲を装備しているのですから、「マダン」が登場する前はさぞかし手を焼く強敵であったはずです。イメージとしては旧ソ連のT34系統ですね。
ちなみにカイラーの主武装である122ミリ砲は砲身がチラッとしか見えていないので短砲身の様に見えますが、砲尾装置は背中に飛び出しているのでブルバップライフルの様に見かけよりも長砲身です。また、対人用の兵装が豊富なのもこの車両の特徴で、これは市民軍側の運用思想とも関連します。この辺は物語で語る事もあると思いますのでまたいずれ。