2010年の1984

作り手として、なるべく政治的にはニュートラルな立場をとろうということでその手の話題は触れないようにしてきましたが、今回は自分の仕事に直接関わる事ですので書きます。

東京都が今推し進めている条例案の改正が、自分の職業を根本から揺るがす危険性を持っていて、それどころか憲法に抵触する要素を多く持っているという問題です。
分かりやすくまとめてくださった方々のところにリンクしておきます。
東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト
http://mitb.bufsiz.jp/
非実在青少年」規制問題・対策まとめ
http://hijituzai.ehoh.net/
漫画・アニメの「非実在青少年も対象に
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/09/news103.html


詳しいことは上のリンク先をご覧になればご理解いただけると思いますが、一般の方がこの見出しを見て連想するであろう
「ああ、エロ漫画を規制するんだろ?目に付くのもウザかったし子供が健全に育つんならよくね?」
というモノではなく、あらゆる表現に関して権力を持つ側の少数の人間のさじ加減ひとつで社会的に抹殺されるという危険性を含んだ条例なのです。ぶっちゃけ言うと私の漫画だって槍玉に挙げられ、絶版に追い込まれる可能性があるのです。なぜなら、女の子が着替えたりお風呂に入っているシーンがあるから。
冗談ではありません。この条例を適用する側が「不快だ」「危険だ」と感じたらそれ以外に理由は要らないのですから。
その危険性についてはプロの法律家も懸念しています。
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/03/post-a2d1.html

本来児童ポルノ法をはじめとする法律は「実際に被害にあっている子供達」を救済するために施行されているはずなのですが、肝心の社会における子供の保護は不十分なまま、規制派と呼ばれる方々は「空想の中の」子供たちの権利を守ろうとしているようです。
よくオタクを揶揄する言葉として「現実と空想の区別がついていない」と言われますが、果たしてそれはどちらの側の人間なのでしょうか